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「退屈と予定調和こそが唯一の罪」──7年ぶりの新作『Victory』を携え、Madeonが渋谷WWW Xへ

2026-08-29 公開 ・ 渋谷WWW X

2026年8月29日(土)、渋谷WWW内のホールWWW Xに、フランス出身のプロデューサー/DJ、Madeon(マデオン)が登場する。開場・開演ともに24:00、チケットは¥9,900(税込/All Standing/1Drink別)、20歳未満は入場不可。主催はCREATIVEMANで、チケットは8月9日から発売されている。深夜0時に幕を開けるこの一夜は、7年ぶりとなる最新作を携えたMadeonの現在地を確かめる貴重な機会になる。

本名Hugo Leclercq(ユーゴ・ルクレール)。フランス・ナント出身の彼は、まだ10代だった頃にインターネット上で発表した楽曲が話題となり、その勢いのままSony Music傘下のColumbia Recordsからデビューを果たすという、いわば“ネット発の神童”としてシーンに登場した人物だ。若くしてメジャーレーベルと契約したという事実だけでも、当時のエレクトロニック・ミュージック・シーンにおいて異例のキャリアの始まりだったと言える。

その後の歩みの中でも特に大きな成果となったのが、2019年発表のアルバム『Good Faith』だ。この作品はグラミー賞のBest Dance/Electronic Album部門にノミネートされ、Madeonの名を世界的に決定づけた。また、盟友Porter Robinsonとの共作曲「Shelter」は、いまなお彼の代表作の一つに数えられる楽曲であり、エレクトロニック・ミュージックのファンダムを超えて広く聴かれてきた。

そして2026年6月26日、実に7年ぶりとなる最新作『Victory』がリリースされた。今回の来日公演も、このアルバムを携えたツアーの一環として組まれている。長いインターバルを経ての新作、そしてそれを引っ提げてのツアーということもあり、今回のWWW X公演がどのようなセットになるのか、期待は大きい。

『Victory』のリリースにあたり、Madeon自身は音楽メディアDancing Astronaut(著者Liana Stern)によるインタビューで、作品づくりに対する姿勢を率直に語っている。

“I think the one sin of an artist is to be boring and predictable”
(アーティストにとって唯一の罪は、退屈で予定調和であることだと思う)— Dancing Astronaut「Madeon Embraces Creative Risk On 'Victory': "The One Sin Of An Artist Is To Be Boring"」Liana Stern、2026年7月1日

このコメントは、7年という長い制作期間を経てなお、あえて予定調和を避け、創作上のリスクを取り続けてきたMadeonの姿勢を端的に表している。デビュー当初から一貫して新しい表現を模索してきた彼にとって、7年というブランクは停滞ではなく、次の一歩を見極めるための時間だったのだろう。

同インタビューでは、リスナーとの関係性についても言葉を残している。

“I've always felt incredibly fortunate to have an audience that's invested in my perspective”
(自分の視点に投資してくれるオーディエンスがいることを、僕はずっと信じられないほど幸運だと感じてきた)— Dancing Astronaut「Madeon Embraces Creative Risk On 'Victory': "The One Sin Of An Artist Is To Be Boring"」Liana Stern、2026年7月1日

デビューから10年以上が経過し、シーンの流行が何度も移り変わる中でも、Madeonの音楽についてきたファンダムが厚みを増してきたことが窺える発言だ。「予定調和を避ける」という創作姿勢と、それを受け止め続けてきたリスナーとの関係は、表裏一体のものとして語られている。

さらに同インタビューでは、意外にもパーソナルな一面を覗かせる発言もあった。

“My secret dream is to write a song that becomes a timeless wedding classic”
(僕のひそかな夢は、時代を超えて愛されるウェディングの定番曲を書くことだ)— Dancing Astronaut「Madeon Embraces Creative Risk On 'Victory': "The One Sin Of An Artist Is To Be Boring"」Liana Stern、2026年7月1日

華やかなフェスティバル・シーンの最前線を走り続けてきたプロデューサーが、こうした素朴な願望を口にする瞬間は貴重だ。壮大なエレクトロ・サウンドの背後に、誰かの人生の節目に寄り添う一曲を書きたいという、きわめて個人的な創作の動機があることが伝わってくる。

深夜0時開演というタイムテーブルは、クラブカルチャーの本場を知るMadeonらしい設定とも言える。『Victory』というタイトルが示す何らかの手応え、そして「退屈と予定調和こそが唯一の罪」という彼自身の言葉を体現するようなセットが、渋谷の夜に鳴り響くはずだ。7年ぶりの新作を携えた一夜を、ぜひ現場で確かめてほしい。

この記事のイベント情報

日程
2026年8月29日(土)
会場
渋谷WWW X
時間
開場・開演 24:00
料金
¥9,900(税込/All Standing/1Drink別)
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